天使たちは、神の子供たちに恵みを与えるためにつかわされる。アブラハムには、祝福の約束を伝えるため、ソドムの門には、火の破壊から義人ロトを救い出すため、また、荒野で疲労と飢えのために死ぬばかりになっていたエリヤを救うため、敵軍に包囲された小さい町のまわりに火の馬と火の戦車を送ってエリシャを救うため、異教の王の宮廷で神の知恵を求め、また、ししの穴に餌食として投げ込まれたダニエルを救うため、ヘロデの牢獄で死の宣告を受けたペテロを救うため、ピリピの牢獄の囚人たちを救うため、夜、海上で暴風にあったパウロとその仲間を救うため、福音を信じるようにコルネリオの心を開くため、そして、この未知の異邦人に救いの使命を伝えにペテロを送るため、──こうしたことのために天使たちは、各時代において、神の民のために奉仕してきたのである。 GCJap 591.3
キリストに従うすべての者に保護天使がつけられている。これら天からの守護者が、悪い者の力から義人を守るのである。このことは、サタン自身も認めて、「ヨブはいたずらに神を恐れましょうか。あなたは彼とその家およびすべての所有物のまわりにくまなく、まがきを設けられたではありませんか」と言った(ヨブ記1章9、10節)。神がご自分の民を守られる方法について、詩篇記者は、「主の使は主を恐れる者のまわりに陣をしいて彼らを助けられる」と言っている(詩篇34篇7節)。 GCJap 592.1
救い主は、彼を信じる者たちについて、「あなたがたは、これらの小さい者のひとりをも軽んじないように、気をつけなさい。あなたがたに言うが、彼らの御使たちは天にあって、天にいますわたしの父のみ顔をいつも仰いでいるのである」と言われた(マタイ18章10節)。神の子供たちに奉仕することを命じられた天使たちは、常に神のみ前に行くことができるのである。 GCJap 592.2
こうして神の民は、暗黒の君の欺瞞の力と絶え間ない悪意にさらされ、悪のあらゆる勢力と戦う時にも天使たちの絶えざる保護が保証されている。必要がなければ、このような保証は与えられはしない。神がご自分の子供たちに、恵みと保護の約束をお与えになったということは、当面すべき強力な悪の勢力―─無数の、断固たる、疲れを知らぬ勢力であって、その悪意と力について無知であったり無関心でいては、だれ一人安全ではありえない―─があるからである。 GCJap 592.3