聖書の明らかで率直な真理を受け入れたくない人たちは、自分の良心を鎮静するのに都合のよい作り話を絶えず求めるようになる。霊的でなく、へりくだって自己を犠牲にする必要のないような教理であればあるだけ、ますます一般からの受けはよいのである。こうした人たちは、自分の肉欲をほしいままにするために、その知的能力を低下させているのである。彼らは自分が知者だと思いあがって、砕けた心をもって聖書を探ることをせず、また神の導きを熱心に祈り求めもしないので、欺瞞に対する防備は何もない。サタンは、彼らの心の欲求にいつでも応じ、真理の代わりに偽物をつかませる。法王制が人心を支配した秘訣は、ここにあった。そして、真理には苦難の十字架があるからといってこれを拒否することによって、新教徒もまた同じ道を踏んでいる。 GCJap 604.2
世俗と歩調を合わせるために、便宜的な都合主義をとって神のみ言葉の研究を怠る者はみな、宗教的真理の代わりに忌まわしい異端を信じてしまうのである。故意に真理を拒む者は、ついには、あらゆる種類の誤りを受け入れるようになる。ある種の欺瞞は嫌悪する人が、他の欺瞞は簡単に受け入れるのである。使徒パウロは、「自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれな」い種類の人々について次のように言っている。「そこで神は、彼らが偽りを信じるように、迷わす力を送り、こうして、真理を信じないで不義を喜んでいたすべての人を、さばくのである」(テサロニケ第二・2章10~12節)。このような警告は、われわれがどのような真理を受け入れるかを十分注意する必要があることを示している。 GCJap 605.1
大欺瞞者サタンの働きの中で最も成功しているものの一つは、心霊術(降神術)の欺瞞的な教えと偽りの奇跡である。彼は、光の天使を装って、人が全く予期していないところに網を張っている。もし人々が、神の書を理解できるようにと熱心に祈りながらみ言葉を研究しさえすれば、彼らは暗黒の中に放置されて偽りの教理を信じるようなことはない。しかし真理を拒否する時、彼らは惑わしの餌食になるのである。 GCJap 605.2