しかしサタンは、人類の堕落後、部下の天使たちに命じて、人間は生まれながらに不死であると信じこませるように努力させた。まずこうした間違った考えを受け入れさせておいて、罪人は永遠の不幸の中に生きなければならないものであると思い込ませるのである。そして今度は、暗黒の君は、その部下を使って、神を執念深い暴君であるかのように見せかけ、神のみこころを喜ばせない者はすべて地獄に投げ込まれ、永遠に神の怒りを受けねばならないのだと断言し、またこのように彼らが永遠の炎の中で、口に言いあらわせないほどの苦しみにもだえているのに、創造主は彼らを眺めて満足なさるのだと断言する。 GCJap 617.3
このようにしてサタンは、自分自身の性質を、人類の創造主であり恵み深い主であられる神の性質であるかのように思わせる。残酷さはサタンのものである。神は愛である。最初の反逆者によって罪が生じるまでは、神の創造されたものは、すべて純潔で清く美しかった。人間を罪に誘惑し、できれば滅ぼしてしまおうとする敵はサタン自身である。そして犠牲者を確実に手に入れてしまうと、自分が生じさせた滅びに狂喜する。彼はもし許されるなら、全人類をその網の中に捕らえるであろう。もし神の力が介入しなければ、アダムの子らは一人も逃れることはできないであろう。 GCJap 618.1
創造主に対する信頼感を揺るがせ、神の統治の賢明さと神の律法の正当さとを疑わせて、われわれの祖先に打ち勝ったサタンは、今日も同じようにして、人間を打ち負かそうとしている。サタンとその部下たちは、自分たちの悪意と反逆を正当化するために、神を自分たち以上に悪いお方であるかのように言う。 GCJap 618.2
大欺瞞者サタンは、自分の恐ろしい残酷さを天父になすりつけて、このような不正な統治者に従おうとしなかったために天から追放されたことは非常に不当な扱いであったと見せかけようとしている。彼は、主の厳格な命令の下に課せられる束縛と対照的に、自分の寛大な支配下で持つことのできる自由を世の人々の前に示す。こうして彼は、人々の心が神に忠誠を尽くさないように誘惑することに成功する。 GCJap 618.3