反対がますます激しくなるにつれて、神のしもべたちは再び困惑する。というのは、彼らには、自分たちが危機をもたらしたように思われるからである。しかし、良心と神の言葉は、彼らの道が正しいことを保証してくれる。そして、試練は続いても、彼らにはそれに耐える力が与えられる。争いは、いよいよ切迫し激化する。しかし彼らの信仰と勇気は、危機とともに高揚する。彼らのあかしはこうである。「われわれは、世の歓心を買うために聖なる律法を分かち、ある部分を重要であるとし、他の部分を重要でないとして、神の言葉に手を入れるようなことはしない。われわれが仕える主は、われわれを救うことがおできになる。キリストは地上の諸権力を征服された。だからわれわれは、すでに征服された世界を恐れることがあろうか」 GCJap 707.1
さまざまな形の迫害は、サタンが存在し、キリスト教が生きた力を持っているかぎり存続する原則の展開である。暗黒の軍勢の反対を受けることなしに、神に仕えることができる者はいない。悪天使たちは、彼の影響によって彼らの手から獲物が奪われることを恐れて、彼を攻撃する。彼の模範によって譴責を受けた悪人たちは、悪天使たちと力を合わせて、魅力的な誘惑をもって彼を神から引き離そうとする。それでも成功しなければ、今度は強制的な力を用いて良心に強いるのである。 GCJap 707.2
しかし、天の聖所において、イエスが人間の仲保者としておられるかぎり、聖霊の抑制力が支配者と国民に及んでいるのである。それは今なお、ある程度国家の法律を支配している。このような法律がなかったならば、世界の状態は現在よりはるかに悪化していたことであろう。この世の支配者の多くは、サタンの有力な手下であるが、神もまた国家の指導者たちの中に、ご自分の代表者を持っておられる。敵はそのしもべたちを動かして、神の働きをはなはだしく阻止するような法案を提出するが、主をおそれる政治家たちは、聖天使に動かされて、このような提案に断固として反対する。こうして、数名の者が、悪の強力な潮流を阻止するのである。真理の敵たちの反対は、第三天使の使命がその働きを遂行するために、抑制される。最後の警告が発せられる時、それは、今主の働きの器になっているこれらの有力者たちの注意をひく。そして、彼らの中のある者は、それを受け入れ、神の民とともに立って、悩みの時を通過するのである。 GCJap 707.3