祈りの力
大宗教改革によって世界を揺り動かした力は、密室の祈りから出たものであった。そこにおいて、神聖な静けさのうちに、主のしもべたちは神の約束の岩の上にしっかりと立った。アウグスブルクの闘争の間中、ルターは、「1日に少なくとも3時間は、祈りに時を費やした。そして、それは、研究のために最もよい時間を割いたものであった。」彼が1人自分の部屋の中で、「崇敬と恐れと希望に満ちて、友人と語るかのような」言葉で、神の前に彼の魂を注ぎ出すのが聞こえた。「わたしは、あなたがわたしたちの父であり、わたしたちの神であられることを知っています。そして、あなたが、あなたの子供たちを迫害するものを散らされることを知っています。それは、あなたご自身が、わたしたちと共に危険に陥っておられるからです。この事は、ことごとくあなたのものです。そして、わたしたちが、それに着手したのも、あなたによって、そうさせられたにすぎません。それですから、あ あ、父よ、わたしたちをお守りください!」と彼は言うのだった。27GC 1692.5
不安と恐怖の重荷にうちひしがれていたメランヒトンに、彼は、次のように書いた。「キリストにある恵みと平和があるように。世ではなくて、キリストにあるのだ。アーメン。わたしは、あなたを圧倒する極度の心労を非常に憎んでいる。もし改革事業が正しくなければ、それをすてよ。もしそれが正しければ、恐れず眠れと命じられる主の約束をなぜ信じないのか。……キリストは正義と真理のわざに欠けるお方ではない。彼は生きて支配しておられる。それならば、われわれは、何を恐れることがあろうか。」28GC 1693.1
神は、神のしもべたちの叫びをお聞きになったのである。神は、王侯たちや牧師たちに、この世の暗黒の支配者に対抗して、真理を維持する恵みと勇気をお与えになった。「見よ、わたしはシオンに、選ばれた尊い石、隅のかしら石を置く。それにより頼む者は、決して、失望に終ることがない」と主は言われる(Ⅰペテロ2:6)。プロテスタントの改革者たちは、キリストの上に築いた。そして、黄泉(よみ)の門は彼らに打ち勝っことができなかった。GC 1693.2
[注]GC 1693.3
1 D'Aubigné, b.13, ch.6.GC 1693.4
2 Ibid., b.13, cb.5.GC 1693.5
3 Ibid.GC 1693.6
4 Ibid.GC 1693.7
5 Ibid.GC 1693.8
6 Ibid.GC 1693.9
7 Wylie, b.13, ch.5.GC 1693.10
8 D'Aubigné, b.13, ch.5.GC 1693.11
9 Ibid.GC 1693.12
10 Ibid.GC 1693.13
11 Ibid.GC 1693.14
12 Ibid.GC 1693.15
13 Ibid., b.13, ch.6.GC 1693.16
14 Ibid.GC 1693.17
15 Ibid.GC 1693.18
16 Ibid.GC 1693.19
17 Ibid.GC 1693.20
18 Ibid., b.14, ch.2.GC 1693.21
19 Ibid., b.14, ch.6.GC 1693.22
20 Ibid., b.14, ch.7.GC 1693.23
21 Ibid.GC 1693.24
22 Ibid.GC 1693.25
23 Ibid., b.14, ch.8.GC 1693.26
24 D'Aubigné, Londoned., b.10, ch.14.GC 1693.27
25 D'Aubigné, b.10, ch.14.GC 1693.28
26 Ibid., b.14, ch.1.GC 1693.29
27 Ibid., b.14, ch.6.GC 1693.30
28 Ibid.GC 1693.31