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各時代の大争闘 - Contents
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    ウィリアム・ミラーの歩み

    聖書の権威に疑惑を抱きながらも、なお真理を知りたいと心から望んでいた、高潔で誠実な一農夫が、キリスト再臨の宣布において指導的な役割を果たすために、神によって特に選ばれた。他の多くの宗教改革者たちと同様に、ウィリアム・ミラーは、年少のころから貧困と戦い、勤勉と自制という大きな教訓を学んでいた。彼の家族は、独立心、自由を愛する精神、忍耐力、そして熱烈な愛国心に燃えた人々であって、彼もまた、こうした特質の人であった。彼の父は、独立戦争当時の大尉で、あの波乱に富んだ時代の奮闘と苦難による犠牲が、ミラーの少年時代を窮乏に陥れた。GC 1746.24

    ミラーはじょうぶな体の持ち主で、幼少のころから非凡な知力を示した。そしてそれは、彼が成長するにつれて、ますます顕著になった。彼の知性は、活発でよく発達し、知識を渇望していた。彼は、大学教育を受けなかったけれども、研究に対する愛着や、注意深い思索と精密な批判の習慣は、彼を健全な判断と理解力に富んだ人にした。彼は、申しぶんのない道徳的品性の持ち主で、評判もうらやましいほど良く、誠実、倹約、慈悲深い心などが、人々から高く評価さ れていた。彼は、勤勉努力の結果、早くから相当の財産を作ったが、しかし相変わらず研究の習慣を持ちつづけた。彼は、いろいろな政治的、軍事的職務について功績をあげ、富と名誉への道が、彼の前に広く開けているように思われた。GC 1746.25

    彼の母は、真に敬虔な婦人で、彼は幼少の時に、宗教的な感化を受けたのであった。しかし早くから彼は、理神論者の仲間に引き入れられた。この人々は、概して善良な市民で、人情味暇かで慈愛深い人々であったために、その影響力はいっそう強かった。彼らは、キリスト教的な制度のただ中で生活しており、彼らの品性は、ある程度まで、そうした環境に影響されていた。彼らが人々の尊敬と信頼をかち得たところの美点は、聖書に負うところが多かった。GC 1747.1

    ところが彼らは、こうしたすぐれた賜物を悪用して、神のみ言葉に敵対する感化力を及ぼしたのである。ミラーは、こうした人々との交際によって、彼らと同様な考えを持つようになった。当時の聖書解釈は、難解で、彼には、とうてい理解できないように思われた。しかし、彼の新しい信仰は、聖書を放棄しながらも、それに代わるさらによいものを与えなかったので、彼にはなんの満足も得られないのであった。それでも彼は、こうした見解を約12年の間持ち続けた。しかし、彼が34歳の時、聖霊は、彼が罪人であるということを彼の心に印象づけた。彼は、従来の信仰によっては、墓のかなたに幸福の確証を得ることができなかった。未来は暗く陰惨であった。後日、彼は、この時の感じを次のように言っている。GC 1747.2

    「絶滅とは、冷たく冷え冷えした思想であった。そしてわれわれは、責任を問われて、みな死滅するのであった。天は、頭上にある真ちゅうのようであり、地は、足の下にある鉄のようであった。永遠——それはなんであろうか? そして死——なぜ死ぬのであろうか? 論理を進めれば進めるほど、わたしは論証から遠ざかってしまった。考えれば考えるほど、結論が出なくなってしまった。わたしは考えるのをやめようとした。だが、思いは自由にならなかった。わたしはほんとうに悲惨であった。しかし、その理由がわからなかった。わたしはつぶやき、不平を言った。しかし、だれについて言っているのか知らなかった。わたしは、悪が存在していることを知っていたが、善をどこでどうして見いだすかを知らなかった。わたしはもだえ苦しみ、なんの希望も持てなかった。」GC 1747.3

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