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各時代の大争闘 - Contents
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    弟子たちの経験

    人間の有限な心は、無限の神のご計画を十分に悟ったり、そのみ心の働きを完全に理解したりはできないけれども、しかし神のメッセージをほんのわずかしか理解できないのは、彼らの側の誤りや怠慢のゆえであるという場合も、よくあるのである。一般の人々、そして神のしもべたちでさえ、人間の意見、人間の伝説や偽りの教えに目がくらんで、神がみ言葉の中に啓示された大事実のほんの一部しか把握できない場合がよくある。GC 1761.2

    救い主がこの地上におられたときの弟子たちでさえ、そうであった。彼らは、メシヤはイスラエルを世界的王国とするこの世の王であるという一般の思想に染まっていたために、彼の苦難と死に関する預言の意味を理解することができなかった。GC 1761.3

    彼らは、キリストご自身から、「時は満ちた、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信ぜよ」との使命を帯びてっかわされた(マルコ1:15)。この使命は、ダニエル9章の預言に基づいていた。「メシヤなるひとりの君」が来るまで、69週あると天使は言った。そこで、弟子たちは、大きな希望と喜ばしい期待をもって、全世界を支配するメシヤの王国がエルサレムに建設されるのを待望した。GC 1761.4

    彼らは、キリストからゆだねられた使命を宣べ伝えたのであるが、彼ら自身その意味を誤って理解していた。彼らの宣言は、ダニエル9:25に基づいていたが、彼らは、同じ章の次の聖句に、メシヤは断たれるとあるのを見なかった。彼らは、生まれた時から、地上王国の栄光を待望するようにしつけられていたので、預言の明細な点も、キリストの言葉も、理解できなかったのである。GC 1761.5

    彼らは、ユダヤの国民に恵みの招待を発して、彼らの義務を遂行した。そして、主がダビデの王位につかれると彼らが思ったその時に、彼が罪人として捕らえられ、むち打たれ、あざけられ、罪に定められ、カルバリーの十字架につけられるのを彼らは見た。主が墓の中で眠っておられる間、弟子たちは、どんなに失望し、苦悩したことであろう。GC 1761.6

    キリストは、預言されたとおりの時に、預言されたとおりの様子で、おいでになったのであった。聖書の証言は、彼の伝道の細かい点まで成就した。彼は、救いの使命をお伝えになった。そして、「その言葉に権威があった。」聴衆は、それが神からのものであることを証言した。み言葉も、聖霊も、み子が神の任命を受けていることをあかしした。GC 1761.7

    弟子たちは、彼らの愛する主を、なお敬愛してやまなかった。しかし、彼らの心は、不安と疑惑に閉ざされていた。彼らは、その苦悩のなかで、キリストが苦難と死について予告された言葉を思い出さなかった。GC 1761.8

    もし、ナザレのイエスが真のメシヤであったならば、自分たちはこうした悲しみと失望に陥ったであろうか? 救い主が墓に横たわっておられた、彼の死と 復活の間のあの安息日の絶望的な時間の間、弟子たちはこの疑問に心を苦しめられていた。GC 1761.9

    イエスの弟子たちは、悲しみの夜に閉ざされてはいたが、捨てられてはいなかった。預言者は言っている。「たといわたしが暗やみの中にすわるとも、主はわが光となられる。……主はわたしを光に導き出してくださる。わたしは主の正義を見るであろう。」「あなたには、やみも暗くはなく、夜も昼のように輝きます。あなたには、やみも光も異なることはありません。」神は次のように言われた。「光は正しい者のために暗黒の中にもあらわれる。」「わたしは見えない人を彼らのまだ知らない大路に行かせ、まだ知らない道に導き、暗きをその前に光とし、高低のある所を平らにする。わたしはこれらの事をおこなって彼らを捨てない」(ミカ7:8、9、詩篇139:12、112:4、イザヤ42:16)。GC 1762.1

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