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各時代の大争闘 - Contents
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    宗教教育の模範

    純潔、単純、熱心が、キリストに従うこれらの人々の信条であった。彼らは、真理の原則を、家屋、土地、友人、親戚はいうに及ばず生命そのもの以上に 大切なものと見なした。彼らは、これらの原則を若い人々の心に植えつけようと熱心に努めた。青年たちは幼い時から、聖書を教えられ、神の律法の要求を神聖なものと見なすよう教えられた。聖書の部数は極めて少なかったので、その尊いみ言葉を彼らは暗記した。多くの者が、旧新約聖書両方のかなりの部分を暗唱できた。神を思う思いが、自然の荘厳な光景からも、また、日常生活のささやかな祝福からも、同じように連想された。幼い子供たちは、神を、すべての恵みとすべての慰めを与えてくださるお方として、感謝をもって仰ぐよう教えられた。GC 1619.7

    両親たちは、慈愛と愛情に満ちていたが、同時に非常に賢明であって、子供たちをわがままにさせたりはしなかった。彼らの前途には、試練と困難の生涯が、そしておそらくは殉教者としての死が待っていた。それだから彼らは、子供のころから、困難に耐え、統制に服し、しかも自ら思考し行動するように教えられていた。幼い時から彼らは責任を負い、言葉を慎み、沈黙の賢明さを理解するように教えられた。敵に聞こえた軽率な一言が、それを言った者だけでなく、多くの同信者の生命を危険に陥れる恐れがあった。真理の敵は、餌食をさがしまわるおおかみのように、信仰の自由を求める者たちをつけねらっていたからである。GC 1620.1

    ワルド派の人々は、真理のために、世俗的な繁栄を犠牲にし、忍耐強く、自分たちの糧のために労苦した。山岳地帯の中の耕せる土地はすべて、ていねいに開墾された。谷間も、あまり肥えていない山の中腹も耕されて、作物を実らせるようになった。節約と厳しい克己とが、子供たちの受ける唯一の遺産としての教育の中に含まれていた。子供たちは、人生が訓練となるよう神は計画しておられること、そして自分たちの必要は、自分自身の労働と生活設計、配慮と信仰によってのみ満たせるということを教えられた。その過程は、労苦に満ち、疲れさせるものではあったが、しかし健康的なものであった。そしてこれは、堕落した状態にある人間にちょうど必要なことであって、神が人間の訓練と発達のために備えられた学校であった。青年たちは、ほねおりと困難に慣れる一方、知性の開発も怠らなかった。彼らは、自分たちのすべての能力が神のものであって、そのすべてを神の奉仕のために開発し活用しなければならないことを教えられた。GC 1620.2

    ワルド派の教会は、その純潔と単純さにおいて、使徒時代の教会に似ていた。彼らは、法王や大司教の至上権を拒み、聖書を唯一最高で誤りのない権威として主張した。彼らの牧師たちは、ローマの尊大な司祭たちと異なって、「仕えられるためではなく、仕えるため」に来られた彼らの主の模範に従っていた。彼らは神の民を、神の聖なる言葉という緑の牧場、生きた泉に導いて、彼らを養った。GC 1620.3

    彼らは、人間の虚栄と誇りの記念物から遠く離れ、華麗な会堂や大寺院ではなくて山々のかげに、アルプスの谷に、あるいは危険な場合には、岩のとりでの中に集まって、キリストのしもべたちから真理の言葉を聞いた。牧師たちは福音を説くだけでなくて、病人を見舞い、子供たちを教え、誤った者をさとし、争いをしずめて一致と兄弟愛を育てるように努めた。彼らは、平和な時には人々の自発的なささげ物によって支えられていたが、テント作りのパウロのように、各自は何かの職業を身につけていて、必要な場合には自分で生活できるようにしていた。GC 1620.4

    青年たちは牧師たちから教育を受けた。普通の学問の諸分野に注意が向けられる一方、聖書が主要な科目であった。マタイやヨハネによる福音書は、多くの使徒書簡とともに、暗記された。彼らはまた、聖書の写本に従事した。聖書全体の写本もあれば、短い部分的なものもあり、それには、聖書の解説ができる人々による簡単な聖句の説明がついていた。こうして、神よりも自分たちを高めようとする人々によって長く隠されていた真理の宝が明らかにされた。GC 1620.5

    忍耐強くたゆまぬ努力によって、時には暗い洞窟の奥深くで、たいまつの光をたよりに、聖書は1節ずつ、また1章ずつ書き写されていった。こうして働きは続けられ、あらわされた神のみ旨は純金のように輝き出た。試練を経たために、神のみ旨がどんなにか いっそう輝かしく、明らかで強力なものとなったかは、その働きに携わった者たちにしかわからない。そして天使たちが、これらの忠実な働き人たちを取り囲んでいた。GC 1620.6

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