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各時代の大争闘 - Contents
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    ワルド派の伝道精神

    キリストの精神は、伝道の精神である。心が新たにされた人のまず最初の衝動は、他の人をも救い主に導こうとすることである。これが、ワルド派キリスト教徒の精神であった。彼らは、単に自分たちの教会内において真理を純潔に保つだけでなくて、それ以上のことを神が要求しておられると感じた。彼らは、暗黒の中にいる人々に光を輝かす厳粛な責任が自分たちに負わされているのを感じた。こうして彼らは、神のみ言葉の偉大な力によって、ローマが人々に負わせたくびきを砕こうと努めた。ワルド派の牧師たちは宣教師としての訓練を受け、牧師の職務にたずさわる者はみな、まず伝道者としての経験を持たなければならなかった。各自は、本国の教会の責任を負うに先だって、どこかの伝道地で3年間奉仕しなければならなかった。この奉仕には、まず克己と犠牲とが要求されたが、困難をきわめた時代に牧師の生 活をする者にとって、まことにふさわしい出発であった。聖職に任じられた青年たちは自分たちの前途に、世俗の富と栄光ではなくて、労苦と危険の生活、あるいは殉教者の運命を見た。宣教師たちは、イエスが弟子たちをつかわされたように、2人ずつで出かけた。青年たち一人一人に、たいていの場合、年長で経験に富んだ人が組み合わせられ、青年たちは、彼を訓練する責任を負った同伴者の指導の下でその教えに従わねばならなかった。こうした同労者たちは、いつもいっしょにいたわけではなかったが、たびたび祈りと相談のために集まって、互いに信仰を強めあった。GC 1621.6

    彼らの任務の目的を明かすことは、不利を招くにきまっていた。それゆえ彼らは注意深くその身分をかくした。どの牧師も、何かの技術か職業をわきまえており、伝道者たちも、世俗の職業に従事しながら自分たちの働きを行った。通常彼らは、行商の働きを選んだ。GC 1622.1

    「彼らは、当時遠い市場でなければ、たやすく入手できなかった絹、宝石、その他の品を扱った。そして、宣教師として訪れるならはねつけられるところに、商人として歓迎された。」2彼らの心は常に、金や宝石よりも尊い宝を人々に示す知恵を、神に仰ぎ求めて、いた。彼らはひそかに、聖書の全部、またはその一部を幾冊か携えていた。そして機会あるたびに、これらの写本に客の注意を引いた。こうしてしばしば、神のみ言葉を読もうとする興味が呼び起こされ、み言葉の一部が、それを受け入れたいと願う人々のところに喜んで置いていかれた。GC 1622.2

    これらの伝道者たちの働きは、彼らの住んでいた山々のふもとの平野や谷間から始まったが、しかしそうした近辺だけではなく、はるか遠くまで広がった。彼らは、彼らの主イエスのように、旅によごれたそまつな衣服を着、はだしで、大きな町々を巡り、遠方の地方にまで進んでいった。至る所で彼らは、尊い種をまいた。彼らが通ったところには教会が起こり、殉教者の血が真理のあかしを立てた。これら忠実な人々の働きによって集められた、豊かな魂の収穫は、主の大いなる日にあらわされることであろう。ひそかに、そして静かに、神のみ言葉はキリスト教世界の中を進んでいき、人々の家庭と心の中に喜び迎えられていった。GC 1622.3

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