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各時代の大争闘 - Contents
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    救われた者と滅びる者

    恐るべき光景が、起こったとおりにそのまま示される。サタンとその悪天使及びその民たちは、自分たちのしわざであるその光景から顔をそむける力はない。一人一人が、自分の演じた役割を思い出す。イスラエルの王イエスを殺そうとして、ベツレヘムの罪なき幼児たちを殺させたヘロデ、バプテスマのヨハネの血について責めを負うべき卑劣なヘロデヤ、優柔不断で無節操なピラト、嘲弄している兵士たち、「その血の責任は、われわれとわれわれの子孫の上にかかってもよい」と叫んだ祭司たちや役人たちや狂気のようになった群衆——こうした人々はみな、自分たちの罪がどんなに凶悪なものであったかを見る。彼らは、太陽よりも強い光を放つ主のみ顔の威光からかくれようとするがむだである。一方贖われた者たちは、その冠を救い主の足もとに投げ、「主はわれらのために死なれた」と叫ぶ。GC 1925.1

    贖われた群衆の中には、雄々しいパウロや熱心なペテロ、愛し愛されたヨハネなどキリストの使徒たちや、真実な心の持ち主であったその兄弟たちがおり、彼らとともに大勢の殉教者たちがいる。一方城壁の外には、あらゆる恥ずべきもの忌むべきものとともに、かつて彼らを迫害し、投獄し、殺した者たちがいる。かつて聖徒たちを責めさいなみ、彼らの極度の苦悶を見て悪魔のような喜びを味わった残忍非道なネロもいて、自分がかつて迫害した人々が高められ、歓喜するありさまを見る。またネロの母もそこにいて、自分自身の行為の結果を見、自分の悪い品性がそのまま息子に遺伝したこと、また自分の感化と手本とによって激情がますますひどくなり、世を戦慄させるような犯罪の実を結んだことを知る。GC 1925.2

    そこにはまた、キリストの大使であると公言しながら、神の民の良心を支配しようとして、拷問台や土牢や火刑柱を使用した法王教の司祭や高僧たちがいる。神よりも自分を高くし、僣越にもいと高きお方の律法を変更しようとした、高慢な法王たちもいる。GC 1925.3

    こうした偽りの教会指導者たちは、神に対して申し開きをしなければならないが、できることならそれを免れたいと願う。彼らは全知全能の神が、ご自分の律法を非常に大事になさるお方であり、また罰すべき者を決してお赦しにならない方であることを悟るが、もう手遅れである。今彼らは、キリストが苦難のうちにあるご自分の民と利害を1つになさったことを知り、また、「わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである」との主ご自身のみ言葉の力を身に感じるのである(マタイ25:40)。GC 1925.4

    全世界の悪人たちは、天の政府に対する大反逆という罪名のもとに神の法廷に告訴される。彼らを弁護する者もなければ、言いわけの余地もない。こうして永遠の死の宣告が彼らに下される。GC 1925.5

    罪の価は高尚な独立や永遠の生命ではなくて、奴隷状態、滅亡、死であることが、今すべての人に明らかになる。悪人たちは、自分たちの反逆の生涯によって何を失ったかを見る。彼らは、永遠の重い栄光をあふれるばかりに提供された時にはそれを軽べつしたが、今はそれがなんと望ましいものにみえることだろう。失われた魂は、「これはみなわたしのものになったかもしれなかったのに、わたしは自分でそれを遠ざけてしまった。ああ、とんでもない迷いだった。わたしは平和と幸福と名誉を、不幸と不名誉と絶望とにとりかえてしまった」と叫ぶ。どの人も自分が天から除外されることが正しいことを認める。彼らは自らの生活によって、「この人〔イエス〕が王になるのをわれわれは望んでいない」と宣言したのであった。GC 1925.6

    魅せられたかのように、悪人たちは神のみ子の戴冠式をながめた。彼らは、神のみ子がそのみ手に、自分たちが今まで軽べつし違反してきた神の律法の板を持っておられるのを見る。また、救われた者たちがいっせいに驚嘆と喜びと賛美の声をあげるのを見る。そしてその歌声の波が城外の群衆にまで押し寄せると、全部の者が異口同音に、「全能者にして主なる神よ。あなたのみわざは、大いなる、また驚くべきものであります。万民の王よ、あなたの道は正しく、かつ真実であります」と絶叫し、ひれ伏していのちの君を拝するのである(黙示録15:3)。GC 1925.7

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