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各時代の大争闘 - Contents
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    欺瞞的な免罪符販売

    ドイツにおいて免罪符の販売を委ねられたのは、テッツェルという人であった。彼は、社会と神の律法に対して、最も卑劣な犯罪を犯した人物であった。しかし彼は、その犯罪の刑罰を免除されて、法王の金銭ずくで無節操な企てを促進するために雇われたのである。彼は、非常なずうずうしさで、根も葉もないことを口にし、無知でだまされやすい迷信的な人々を欺くために、不思議な物語を聞かせた。もしも人々が神の言葉を持っていたならば、このように欺かれなかったことであろう。型書か人々の手に与えられていなかったのは、彼らを法王権の支配下において、その野心的な指導者たちの権力と富を増大するためであった。 8GC 1650.2

    テッツェルが町に到着すると、彼の前に使いの者が行って、「神と法王の恵みが、あなたの門口に来た」と告げ知らせ。 9そして人々は、天から彼らのところに下った神ご自身を迎えるかのように、この冒瀆もはなはだしい偽り者を歓迎したのであった。汚らわしい売買が教会の中で行われ、テソツェルは説教壇に上って免罪符をほめ上け、これは神の最も尊い賜物であると言った。彼は免罪箱の功徳を述べて、これを買う者は、これから犯そうと思う罪もみな赦される、しかも「悔い改めさえ必要ではない」と言った。 10そればかりではなくて、彼は聴衆に、免罪符は生きている者だけでなくて、死者をも救う力がある、金が箱の底に当たって音がした瞬間に、それが支払われた魂は煉獄を逃れて天国に行くのである、と保証した。 11GC 1650.3

    魔術師シモンが、奇跡を行う力を、使徒たちから金銭で買おうとした時に、ペテロは彼に答えて、「おまえの金は、おまえもろとも、うせてしまえ。神の賜物が、金で得られるなどと思っているのか」と言った(使徒行伝8:20)。しかしテッツェルの申し出に対し、多くの人々は熱心に飛びついた。金銀が彼の金庫に流れ込んだ。悔い改めと信仰、そして熱心に努力して罪に抵抗し勝利することによって得られる救いよりは、金で買うことができる救いのほうが、たやすく得られるのであった。GC 1650.4

    免罪符の教義は、ローマ教会の学識ある信心深い人々から反対されてきた。そして、理性と啓示の両面から見ても非常に矛盾したこの主張を、信じない人々も多かった。この邪悪な売買に、あえて反対の声をあげる高位聖職者はいなかった。しかし、人々の心は混乱し、不安になった。そして多くの者は、神がだれかを起こして、教会のきよめのためにお働きにならないであろうかと熱心にたずねた。GC 1650.5

    ルターは、依然として最も厳格な法王教徒であったが、免罪符を扱う者たちの冒瀆的な僣越な態度に激しい嫌悪をおほえた。彼自身の会衆のなかに、免罪符を買ったものが多くいた。そしてまもなく、彼らは、罪を悔いて改革したいという理由からではなくて、免罪符を理由にして、司祭のところに来て罪を告白し、赦しを期待するようになった。ルターは、彼らに赦しを与えることを拒んだ。そして、もしも彼らか梅い改めて生活を改めるのでなければ、その罪のために滅びなければならないと警告した。彼らは非常 に当惑し、テッツェルのところへ行って彼らの聴罪師が免罪符を拒否したことを訴え、なかには大胆に返金を迫る者もあった。テッツェルは激怒した。彼は恐ろしいのろいの言葉をはき、町の広場に火をたかせて、「自分は、この最も神聖な免罪符に反対する異端者はみな火刑にする命令を、法王から受けている」と宣言した。 12GC 1650.6

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