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各時代の大争闘 - Contents
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    提題に対する反響

    ところが、罪を愛する迷信的な群衆は、彼らの恐怖を和らげていた詭弁が一掃されて戦標した。悪賢い聖職者たちは、犯罪を是認する彼らの仕事が妨害され、彼らの利益が危険にひんしたのを見て、大いに怒り、その欺瞞を擁護するために立ち上がった。改革者は手きびしい告発にあった。ある者たちは、ルターが軽率に衝動的な行動を起こしたと言って非難した。他の者たちは、彼を借越であると非難し、彼は神に導かれているのではなくて、高慢とでしゃばりから行動したと言った。ルターは答えて言った。「だ れでも、新しい急見を発表する時には、いかにも高慢に見え、論争をひき起こすかのように非難されるのを知らない人があろうか。……なぜ、キリストとすべての殉教者たちは殺されたのか? それは、彼らが、その時代の知恵を高慢にも軽べつするように見え、まず昔からの神託を謙そんに聞くことをせずに、自分たちの新しい説を主張したからであろ。」GC 1651.7

    また、彼は、面った。「わたしのすろことは、人間の思慮分別ではなくて、神の勧告に基づいて行われる。この働きが神のものであれば、だれがそれを止め得ようか。もしそれが神のものでないならば、だれがそれを押し進め得ようか。わたしの意志、彼らの意志、われわれの意志ではない。天にいます、聖なる父よ、それは、あなたの意志であります。」 13GC 1652.1

    ルターは聖霊に動かされて彼の働きを開始したのであったが、それを推進するためには激しく闘わなければならなかった。敵の非難、彼の目的に対する誤解、彼の品性や動機に対する正で悪意に満ちた非難などが、洪水のように彼を襲い、彼はそれに悩まされた。GC 1652.2

    彼は、教会においても学校においても、人々の指導者たちは喜んで彼と一致して改革のために努力するものと確信していた。高い地位の人々から受けた激励の言葉が、彼に喜びと希望を与えた。すでに彼は、教会の輝かしい夜明けを予見していたのである。それだのに、激励は非難と有罪の宣告に変わった。教会と国家の両方の高官たちの多くは、彼の主張の真実であることを確信したけれども、これらの真理を受け入れるならば大変化が起こることに、すぐに気づいたのである。人々を啓蒙し改革することは、事実上、ローマの権力をくつがえすことであって、その金庫に流れ込んでいる幾千の流れを止め、法王制の指者たちの浪費とぜいたくを大いに削減することになるのであった。そればかりか、人々に、キリストだけに救いを仰ぎつつ、責任あろ人間として思考し行動するように教えることは、法王の座をくつがえし、ひいては、彼ら自身の権威をも失わせるのであった。このようなわけで、彼らは、神から与えられた知識を拒んだ。そして、神が彼らを啓蒙するためにお送りになった人間に反対することにより、キリストと真理とに対抗したのである。GC 1652.3

    ルターは自分自身を見た時震えおののいた。ただ1人の人間が、地上最強の権力に反対しているのであった。彼は、自分がほんとうに神に導かれて教会の権威に対抗しているのかどうか疑う時もあった。「地上の王たちと全世界がおそれおののく法王の威光に反対するわたしは、いったいだれであろうか。……最初の2年間、わたしがどんなに苦しんだか、また、どんな失望、いやどんな絶望に陥ったかは、だれにもわからない」と彼は書いている。 14しかし彼は、落胆したまま放置されてはいなかった。人間の支持を失った時、彼は、ただ神を仰いだ。そして、その全能の腕にたよれば絶対に安全であることを学んだ。GC 1652.4

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