黙示録14章の第二天使の使命は、最初、一八四四年の夏、宣べ伝えられた。そして、それは当時の米国の諸教会に直接当てはまるものであった。米国においては、審判の警告が最も広く宣言されたにもかかわらず、大部分の教会はそれを拒否して、急速に堕落してしまった。しかし、第二天使の使命は、一八四四年に完全な成就を見たのではなかった。その時、教会は、再臨使命の光を拒否したために、道徳的堕落を経験したのであったが、しかしその堕落は、全面的なものではなかった。諸教会は現代に対する特別な真理を拒否し続けてきたために、ますますひどく堕落してしまった。しかし、「バビロンは倒れた。……その不品行に対する激しい怒りのぶどう酒を、あらゆる国民に飲ませた者」と言うまでには、まだなっていない。彼女はまだあらゆる国民に飲ませてはいない。世俗と妥協する精神と、われわれの運命を決定する現代の真理に対する無関心とが、すべてのキリスト教国のプロテスタント諸教会内で力を得ている。こうした教会も、第二天使の厳粛で恐るべき告発の中に含まれる。しかし、背教の活動は、まだその頂点に達していない。 GCJap 446.1
聖書は、主の再臨の前に、サタンが「あらゆる偽りの力と、しるしと、不思議と、また、あらゆる不義の惑わしとを」もって働き、「自分らの救となるべき真理に対する愛を受けいれ」ない者は、「偽りを信じるように、迷わす力」を受けるに至る、と言っている(テサロニケ第二・2章9~11節)。こうした状態になって、教会と世俗との結合がキリスト教国全体において完全に行われる時に、初めてバビロンの堕落は完全なものとなる。この変化は徐々に行われる。黙示録14章8節の全面的成就は、まだ将来のことである。 GCJap 446.2
バビロンを構成する諸教会は、霊的暗黒と神からの離反に陥っているにもかかわらず、その中にはまだ、真のキリスト者が数多くいる。この時代のための特別な使命をまだ悟っていない人々が多くいる。自分たちの現状に満足せず、もっと明らかな光を待ち望んでいる者が、少なくない。彼らは自分たちの所属する教会の中に、キリストの姿を見ようとしても見ることができない。 GCJap 447.1
こうした諸教会が、真理からますます遠く離れ、世俗といっそう密接に結合するにつれて、二つのグループの人々の相違は大きくなり、ついには分離しなければならなくなる。この上なく神を愛する人々は、「神よりも快楽を愛する者、信心深い様子をしながらその実を捨てる者」たちとは、もはや関係を保つことができなくなる時が来る。 GCJap 447.2
黙示録18章は、教会が、黙示録14章6~12節の三重の使命を拒否した結果、第二天使の使命が預言した状態に完全に陥り、そして、まだバビロンにいる神の民が、その中から出るようにと求められる時を示している。これは、世界に発せられる最後の使命である。そしてそれは、その働きを成し遂げる。「真理を信じないで不義を喜んでいた」人々は、偽りを信じ、迷わす力に陥るままにされる(テサロニケ第二・2章12節)。その時、真理の光は、それを受けようと心を開くすべての人の上に輝き、バビロンに残っている主の子供たちはみな、「わたしの民よ。彼女から離れ去」れという招きの声に耳を傾けるのである(黙示録18章4節)。 GCJap 448.1