これらの災いは、全世界的なものではない。さもないと、地上の住民は全く滅ぼされてしまうであろう。しかし、それでもこれは、人類史上かつてなかった恐ろしい災いである。恩恵期間の終了する前に人々の上にくだった刑罰には、憐れみが混じっていた。キリストのとりなしの血によって、罪人はその罪にふさわしい罰を受けずにすんだのである。しかし、最後の刑罰においては、憐れみを混じえずに怒りが注がれるのである。 GCJap 728.3
その日に、多くの人々は、長い間軽蔑してきた神の憐れみの保護を受けたいと願う。「主なる神は言われる、『見よ、わたしがききんをこの国に送る日が来る、それはパンのききんではない、水にかわくのでもない、主の言葉を聞くことのききんである。彼らは海から海へさまよい歩き、主の言葉を求めて、こなたかなたへはせまわる、しかしこれを得ないであろう』」(アモス書8章11、12節)。 GCJap 728.4
神の民は苦難を免れるわけではない。彼らは迫害と苦しみにあい、窮乏に耐え、食物の不足に苦しむのであるが、滅びるままにほうっておかれたりはしない。エリヤを養われた神は、ご自分の献身的な子供たちを一人も見捨てられない。彼らの頭の毛までも数えられるお方が、彼らを保護し、飢饉の時にあって満ち足らせられる。悪人たちが飢えと疫病のために死んでいく時に、天使は義人を守り、その必要を満たすのである。「正しく歩む者」には、次のような約束が与えられている。 GCJap 729.1
「そのパンは与えられ、その水は絶えることがない」「貧しい者と乏しい者とは水を求めても、水がなく、その舌がかわいて焼けているとき、主なるわたしは彼らに答える、イスラエルの神なるわたしは彼らを捨てることがない」(イザヤ書33章15、16節、41章17節)。 GCJap 729.2
「いちじくの木は花咲かず、ぶどうの木は実らず、オリブの木の産はむなしくなり、田畑は食物を生ぜず、おりには羊が絶え、牛舎には牛がいなくなる」。しかし、主をおそれる者たちは、「主によって楽しみ、わが救の神によって喜ぶ」(ハバクク書3章17、18節)。 GCJap 729.3
「主はあなたを守る者、主はあなたの右の手をおおう陰である。昼は太陽があなたを撃つことなく、夜は月があなたを撃つことはない。主はあなたを守って、すべての災を免れさせ、またあなたの命を守られる」「主はあなたをかりゅうどのわなと、恐ろしい疫病から助け出されるからである。主はその羽をもって、あなたをおおわれる。あなたはその翼の下に避け所を得るであろう。そのまことは大盾、また小盾である。あなたは夜の恐ろしい物をも、昼に飛んでくる矢をも恐れることはない。また暗やみに歩きまわる疫病をも、真昼に荒す滅びをも恐れることはない。たとい千人はあなたのかたわらに倒れ、万人はあなたの右に倒れても、その災はあなたに近づくことはない。あなたはただ、その目をもって見、悪しき者の報いを見るだけである。あなたは主を避け所とし、いと高き者をすまいとしたので、災はあなたに臨まず、悩みはあなたの天幕に近づくことはない」(詩篇121篇5~7節、91篇3~10節)。 GCJap 729.4