第15章 妥協するヨシャパテ王
- 序
- 第1章 ソロモン王の選択
- 第2章 エルサレム神殿の建設
- 第3章 繁栄の落とし穴
- 第4章 権力者が倒れるとき
- 第5章 ソロモン王の改心
- 第6章 王国の分裂
- 第7章 悲劇の王ヤラベアム
- 第8章 急速にひろがった背信
- 第9章 預言者エリヤの出現
- 第10章 罪を責める声
- 第11章 カルメル山の対決
- 第12章 砂漠へ逃れる預言者
- 第13章 失敗から立ちあがる
- 第14章 預言者エリヤの力
- 第15章 妥協するヨシャパテ王
- 第16章 アハブ家の没落
- 第17章 預言者エリシャの召し
- 第18章 悪水を良水にかえる
- 第19章 平和をつくり出す人
- 第20章 大国シリヤからの訪問者
- 第21章 預言者工リシャの貢献
- 第22章 アッスリヤの首都ニネベ
- 第23章 大国アッスリヤの支配
- 第24章 破滅を定めるもの
- 第25章 預言者イザヤの召し
- 第26章 「あなたがたの神を見よ」
- 第27章 大国に援助を求めたアハズ王
- 第28章 熱心な改革者ヒゼキヤ王
- 第29章 虚栄のつけ
- 第30章 大国アッスリヤからの解放
- 第31章 諸国民の希望
- 第32章 暗黒時代をもたらしたマナセ王と改革の星ヨシヤ王
- 第33章 律法の書の発見
- 第34章 立ちあがった預言者エレミヤ
- 第35章 破滅が近い
- 第36章 ユダ王国の最後の王
- 第37章 バビロン捕囚
- 第38章 暗黒を貫く光
- 第39章 バビロン王宮の4青年
- 第40章 ネブカデネザル王の夢
- 第41章 火の燃える炉からの救い
- 第42章 真の偉大さとは何か
- 第43章 目に見えない守護者
- 第44章主義に固く立つ
- 第45章 バビロン捕囚から帰る
- 第46章敵対者に直面して
- 第47章大祭司ヨシュアと天使
- 第48章 権力をこえる力
- 第49章 王妃エステルの決心
- 第50章 学者エズラに導かれた改革
- 第51章 精神の大覚醒
- 第52章 総督ネヘミヤの活躍
- 第53章 市街の建てなおし
- 第54章 搾取に対する譴責
- 第55章 隣国の陰謀
- 第56章 律法の公布
- 第57章 改革が始まる
- 第58章 救い主を待望する人々
- 第59章 理想のイスラエル
- 第60章 栄光にみちた国が来る
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第15章 妥協するヨシャパテ王
ヨシャパテは35歳で即位したが、それまで彼の前には、善良な王アサの模範があった。アサは彼の当面した大抵の危機において「主の目にかなう事をし」たのである(列王紀上15:11)。ヨシャパテは25年の栄えた治世において「父アサのすべての道に歩み、それを離れ」なかった(同22:43上句)。PK 463.3
ヨシヤパテは賢明に国を統治することに励み、偶像礼拝の風習に対して断固とした態度をとるように国民に説いた。王国内の多くの人々は、「なお高き所で犠牲をささげ、香をたいた」(同22:43下句)。王はこれらの聖堂を直ちに破壊してしまわなかった。しかし彼は最初から、アハブの治世においてはなはだしかった北王国の罪からユダ王国を守ろうと努めた。彼はアハブとは永年同時代に生きた王であった。ヨシャパテは彼自身、神に対して忠誠であった。彼は「バアルに求めずその父の神に求めて、その戒めに歩み、イスラエルの行いにならわなかった」。主は彼が誠実であったために彼とともにおられて、「国を彼の手に堅く立てられ」た(歴代志下17:3~5)。PK 463.4
「ユダの人々は皆ヨシャパテに贈り物を持ってきた。彼は大いなる富と誉とを得た。そこで彼は主の道に心を励まし」た。時の経過とともに改革が行われて、王は「高き所とアシラ像とをユダから除いた」(同17:5、6)。「彼は父アサの世になお残っていた祖殿男娼たちを国のうちから追い払った」(列王紀上22:46)。こうしてユダの住民は、彼らの霊的進歩を遅らせようとしていた多くの危険から徐々に解放されていったのである。PK 463.5
王国の全土において、人々は神の律法について彰えを受ける必要があった。彼らの安全はこの律法を理解することにかかっていた。その要求に人々の生活を合致させることによって、彼らは神と人間との両方に対して誠実になるのであった。PK 463.6
ヨシャパテはこの事を知っていたので、聖書に関する教育を十分に人々に与える方法を講じた。彼の王国の各地域を担当していたつかさたちは、教育σ〕任に当たる祭司たちが忠実に人々を教える段取りをとるように指示を受けた。こうした教師たちは、王の任命のもとにつかさたちの直接の指導を受けて働き「ユダの町々をことごとく巡回して、民の間に教をなした」(歴代志下17:9)。そして多くの人々が、禍の要求を理解することに努めて、罪を捨て去るに及んでリバイバルが起こったのである。PK 463.7
ヨシャパテが王として繁栄したのは、彼が国民の霊的必要のために賢明な処置をとったことに負うところが多かったのである。神の律法に従うことには 大いなる利益がある。神の要求に従う時に改変の力が働いて、人々の間に平和と善意をもたらすのである。神のみ言葉の教えがすべての人々の生活の支配的影響力となり、心と思いとがその抑制力のもとにおかれるならば、今日、国家的また社会的生活の中に存在している罪悪は消滅してしまうことであろう。各家庭からは人々に強い霊的洞察力と道徳力を与える感化があふれ出て、国家も個人も優位に立つことであろう。PK 463.8
ヨシャパテは永年にわたって、周囲の国々の妨害を受けることなく平和に過ごした。「ユダの周囲の国々は皆主を恐れ」た(歴代志下17:10)。彼はペリシテ人から金銭や贈り物を受けた。アラビヤ人からは多数の羊や山羊を受けとった。「こうしてヨシャパテはますます大いになり、ユダに要害および倉の町を建て、……大勇士である軍人たちを持っていた。……このほかにまたユダ全国の堅固な町々に、王が駐在させた者があった」(同17:12~19)。彼は豊かな「富と誉」とに恵まれて、真理と義のために大いなる力をふるうことができたのである(同18:1)。ヨシャパテは王位についてから数年後の繁栄の絶頂において、息子ヨラムがアハブとイゼベルとの娘、アタリヤと結婚することを承諾した。この結婚によってユダとイスラエルの二国間に同盟が結ばれたが、これは神の指示によるものではなかった。それは危機が臨んだ時に、王と多くの国民を不幸にしたのである。PK 464.1
ある時ヨシャパテは、サマリヤにいるイスラエルの王をたずねた。エルサレムの王は特別の優遇を受けた。そしてその訪問の終わりに当たって、彼はイスラエルの王と同盟してスリヤと戦うように説得された。アハブはユダの軍勢と自分の軍勢を連合させることによって、むかしの逃れの町の1つであるラモテを奪還しようと思った。彼はこの町は当然イスラエルに属するものであると主張したのである。PK 464.2
ヨシャパテは弱気になっていたとき、イスラエルの王と同盟を結んでスリヤと戦うことを軽率にも約束してしまった。しかし彼は思いかえして、この企てについて神のみこころをたずねることにした。ヨシャパテはアハブに、「まず主の言葉を求めなさい」と言った。アハブはそれに答えて、サマリヤの偽預言者400人を集めて彼らに言った「われわれはラモテ・ギレァデに、戦いに行くべきか、あるいは控えるべきか。」彼らは言った、「上って行きなさい。神はそれを王の手にわたされるでしょう」(歴代志下18:4、5)。PK 464.3
ヨシャパテはそれに満足せず神のみこころをはっきりと知りたいと思った。「ほかにわれわれが問うべき一主の預言者はここにいませんか」と彼はたずねた(同18:6)。アハブは答えて言った、「われわれが主に問うことのできる人が、まだひとりいます。イムラの子ミカヤです。彼はわたしについて良い事を預言せずただ悪い事だけを預言するので、わたしは彼を憎んでいます」(列王紀上22:8)。ヨシャパテは神の人をぜひ呼んでもらいたいと願った。ミカヤは彼らの前に現れて、アハブから「主の名をもって、ただ真実のみを…告げる」ように命じられて言った。「わたしはイスラエルが皆、牧者のない羊のように、山に散っているのを見ました。すると主は『これらの者は飼主がいない。彼らをそれぞれ安らかに、その家に帰らせよ』と言われました」(同22:16、17)。PK 464.4
預言者の言葉は王たちに、彼らの計画が神のお喜びにならないものであることを示すのに十分なはずであったが、王たちはどちらも警告に耳を傾けようとしなかった。アハブはすでに自分の行動を決定していて、それを遂行する決意であった。ヨシャパテは「わたしはあなたと一緒に戦いに臨みましょう」と誓ったのであった(歴代志下18:3)。彼はこうした約束をしたあとで、彼の軍勢を撤退させることを好まなかった。PK 464.5
「こうしてイスラエルの王とユダの王ヨシャパテはラモテ・ギレアデに上っていった」(列王紀上22:29)。PK 464.6
続いて起こった戦闘の中で、アハブは矢に当たって夕暮になって死んだ。「日の没するころ、軍勢の中に呼ばわる声がした、『めいめいその町へ、めいめいそ の国へ帰れ』」(同22:36)。こうして預言者の言葉は成就したのである。PK 464.7
ヨシャパテはこの悲惨な戦闘からエルサレムへ帰った。彼が都に近づくと、預言者エヒウが彼を迎えて譴責した。「あなたは悪人を助け、主を憎む者を愛してよいのですか。それゆえ怒りが主の前から出て、あなたの上に臨みます。しかしあなたには、なお良い事もあります。あなたはアシラ像を国の中から除き、心を傾けて神を求められました」(歴代志下19:2、3)。PK 465.1
ヨシャパテの治世の晩年は、主としてユダの国家的、霊的防衛の強化のために費やされた。彼は「また出て、ベエルシバからエフライムの山地まで民の中を巡り、先祖たちの神、主に彼らを導き返した」(同19:4)。PK 465.2
王がとった重大な処置の1つは、有力な裁判所を設置してそれを維持することであった。「彼はまたユダの国中、すべての堅固な町ごとに裁判人を置いた。」そして、その任に当たった人々に彼は訴えた。「あなたがたは自分のする事に気をつけなさい。あなたがたは人のために裁判するのではなく、主のためにするので魂あなたがたが裁判する時には、主はあなたがたと共におられます。だからあなたがたは主を恐れ、慎んで行いなさい。われわれの神、主には不義がなく、人をかたより見ることなく、まいないを取ることもないからです」(同19:5~7)。PK 465.3
裁判制度はエルサレムに控訴院を設けて完成された。ヨシャパテは「レビびと、祭司、およびイスラエルの氏族の長たちを選んでエルサレムに置き、主のために裁判を行い、争議の解決に当らせた」(同19:8)。PK 465.4
王はこれらの裁判官たちに忠実であるように訓戒を与え、彼らに命じて言った。「あなたがたは主を恐れ、真実と真心とをもって行わなければならない。すべてその町々に住んでいるあなたがたの兄弟たちから、血を流した事または律法と戒め、定めとおきてなどの事について訴えてきたならば、彼らをさとして、主の前に罪を犯させず、怒りがあなたがたと、あなたがたの兄弟たちに臨まないようにしなさい。そのようにすれば、あなたがたは罪を犯すことがないでしょう。見よ、祭司長アマリヤは、あなたがたの上にいて、主の事をすべてつかさどり、イシマエルの子、ユダの家のつかさゼバデヤは王の事をすべてつかさどり、またレビびとはあなたがたの前にあって役人となります。雄々しく行動しなさい。主は正直な人と共におられます」(歴代志下19:9~11)。PK 465.5
ヨシャパテは国民の権利と自由を大切に擁護するために、すべてを支配しておられる正義の神から人間家族のすべての者が受けている愛護を強調した。「神は神の会議のなかに立たれる。神は神々のなかで、さばきを行われる。」そして神のもとにあって裁判官として任務を果たすように命じられた者は、「弱い者と、みなしごとを公平に扱い、苦しむ者と乏しい者の権利を擁護」し、「彼らを悪しき者の手から助け出」さなければならない(詩篇82:1、3、4)。PK 465.6
ヨシャパテの治世の晩年においてユダ王国は敵軍の侵略を受け、地の住民はそれを前にして震えおののいた。「モアブびと、アンモンびとおよびメウニびとらがヨシャパテと戦おうと攻めてきた。」1人の使者がこの侵入の知らせを王に告げ、次のような驚くべき言葉を語った。「海のかなたのエドムから大軍があなたに攻めて来ます。見よ、彼らはハザゾン・タマル(すなわちエンゲデ)にいます」(歴代志下20:1、2)。PK 465.7
ヨシャパテは勇猛果敢な人であった。彼は永年にわたって、軍隊と要害の町々を強化してきた。彼はどんな敵にも対応する準備が整っていた。しかし彼はこの危機において、肉の腕に頼らなかった。彼は訓練された軍隊や城壁をめぐらした町々ではなくて、イスラエルの神に対する生きた信仰によって諸国民の前で、ユダを辱めようとして力を誇示するこれらの異教徒に勝とうと望んだのである。PK 465.8
「そこでヨシャパテは恐れ、主に顔を向けて助けを求め、ユダ全国に断食をふれさせた。それでユダはこぞって集まり、主の助けを求めた。すなわちユダのすべての町から人々が来て主を求めた」(同20:3、4)。PK 465.9
ヨシャパテは人々の前で、神殿の庭に立って心を注ぎ出して祈り、イスラエルの無力さを告白して神の約束を願い求めた。「われわれの先祖の神、主よ、あなたは天にいます神ではありませんか。異邦人のすべての国を治められるではありませんか。あなたの手には力があり、勢いがあって、あなたに逆らいうる者はありません。われわれの神よ、あなたはこの国の民をあなたの民イスラエルの前から追い払って、あなたの友アブラハムの子孫に、これを永遠に与えられたではありませんか。彼らはここに住み、あなたの名のためにここに聖所を建てて言いました。『つるぎ、審判、疫病、ききんなどの災がわれわれに臨む時、われわれはこの宮の前に立って、あなたの前におり、その悩みの中であなたに呼ばわります。すると、あなたは聞いて助けられます。』…今アンモン、モアブ、およびセイル山の人々をごらんなさい。昔イスラエルがエジプトの国から出てきた時、あなたはイスラエルに彼らを侵すことをゆるされなかったので、イスラエルは彼らを離れて、滅ぼしませんでした。彼らがわれわれに報いるところをごらんください。彼らは来て、あなたがわれわれに賜わったあなたの領地からわれわれを追い払おうとしています。われわれの神よ、あなたは彼らをさばかれないのですか。われわれはこのように攻めて来る大軍に当る力がなく、またいかになすべきかを知りません。ただ、あなたを仰ぎ望むのみです」(同20:6~12)。PK 466.1
ヨシャパテは確信をもって、「ただあなたを仰ぎ望むのみです」と言うことができた。彼はむかし神の選民を全滅から救うために度々介入された神に信頼するように、永年にわたって人々を教えてきた。そして今、王国が危機にひんしたときに、ヨシャパテはただひとりで立ったのではなかった。「ユダの人々はその幼な子、その妻、および子供たちと共に皆主の前に立っていた」(歴代志下20:13)。彼らは1つになって断食して祈った。彼らは1つになって、主が彼らの敵を混乱させ、主のみ名があがめられるように願い求めたのである。PK 466.2
神よ、何も言わずに、黙っていないでください。PK 466.4
あなたの保護される者にむかって相ともに計ります。PK 466.9
『さあ、彼らを断ち滅ぼして国を立てさせず、PK 466.11
すなわちエドムの天幕に住む者とイシマエルびと、PK 466.16
キション川でシセラとヤビンにされたように、PK 466.20
人々が王とともに、神の前にへりくだって神の助けを求めたときに、主の霊が「アサフの子孫であるレビびと」ヤハジエルに臨んだ。そして彼は言った。PK 466.28
「『ユダの人々、エルサレムの住民、およびヨシヤバテ王よ、聞きなさい。主はあなたがたにこう仰せられる、「この大軍のために恐れてはならない。おののいてはならない。これはあなたがたの戦いではなく、主の戦いだからである。あす、彼らの所へ攻め下りなさい。見よ、彼らはヂヅの坂から上って来る。あなたがたはエルエルの野の東、谷の端でこれに会うであろう。この戦いには、あなたがたは戦うに及ばない`ユダおよびエルサレムよ、あなたがたは進み出て立ち あなたがたと共におられる主の勝利を見なさい。恐れてはならない。おののいてはならない。あす、彼らの所に攻めて行きなさい。主はあなたがたと共におられるからである」』。PK 466.29
ヨシャパテは地にひれ伏した。ユダの人々およびエルサレムの民も主の前に伏して、主を拝した。その時コハテ人の子孫、およびコラ人の子孫であるレビ人が立ち上がり、大声をあげてイスラエルの神、主をさんびした。PK 467.1
彼らは朝早く起きてテコアの野に出て行った。その出て行くとき、ヨシャパテは立って言った。『ユダの人々およびエルサレムの民よ、わたしに聞きなさい。あなたがたの神、主を信じなさい。そうすればあなたがたは堅く立つことができる。主の預言者を信じなさい。そうすればあなたがたは成功するでしょう』。彼はまた民と相談して人々を任命し、聖なる飾りを着けて軍勢の前に進ませ、主に向かって歌をうたい、かつさんびさせ」た(歴代志下20:14~21)。これらの歌う人々は軍勢の前に進んで、勝利の約束が与えられたことに対して神に賛美の声をあげたのである。PK 467.2
歌を歌って主を賛美し、イスラエルの神をあがめながら敵軍に向かっていくというのは、奇妙な方法であった。これは彼らの戦いの歌であった。彼らは聖なる飾りを身に着けていた。もしわれわれが、今もっと神を賛美するならば、希望と勇気と信仰が増しつづけることであろう。そしてこれは、今日真理を擁護して立っている勇敢な兵士たちを奮起させるのではなかろうか。PK 467.3
「主は伏兵を設け、かのユダに攻めてきたアンモンモアブ、セイル山の人々に向かわせられたので、彼らは打ち敗られた。すなわちアンモンとモァブの人々は立ち上がって、セイル山の民に敵し、彼らを殺して全く滅ぼしたが、セイルの民を殺し尽すに及んで、彼らもおのおの互に助けて滅ぼしあった。PK 467.4
ユダの人々は野の物見やぐらへ行って、かの群衆を見たが、地に倒れた死体だけであって、ひとりものがれた者はなかった、(同20:22~24)。PK 467.5
神はこの危機においてユダの避け所であられたが、今日も神の民の避け所であられる。われわれはもろもろの君たちに頼ったり、人間を神の位置に立てたりしてはならないのである。われわれは、人間は倒れ、誤りを犯すものであることと、全能の神がわれわれの力強い防御のとりでであることを忘れてはならない。あらゆる危機において、戦いは神のものであると思わなければならない。神の資源は無限である。そしていかにも不可能と思われる事態は、それだけ勝利を大いなるものにするのである。PK 467.6
ユダの軍勢は、多くの戦利品をたずさえて、「喜んでエルサレムに帰ってきた。主が彼らにその敵のことによって喜びを与えられたからである。すなわち彼らは立琴、琴およびラッパをもってエルサレムの主の宮に来た」(歴代志下20:27、28)。彼らには大いに喜ぶわけがあった。PK 467.13
「あなたがたは進み出て立ち、……主の勝利を見なさい。恐れてはならない。おののいてはならない」という命令に従って、彼らは全く神に信頼したのであった(同20:17)。そして神は彼らの城となり、彼らを救う者となられたのである。今彼らは、ダビデの霊感によって書かれた賛美の歌を理解しながら歌うことができたのである。PK 467.14
王は……弓を折り、やりを断ち、戦車を火で焼力れる。PK 467.17
『静まって、わたしこそ神であることを知れ。PK 467.18
わたしはもろもろの国民のうちにあがめられ、PK 467.19
「神よ、あなたの誉は、あなたのみ名のように、地のはてにまで及びます。PK 468.4
あなたのさばきのゆえに、シオンの山を喜ばせ、ユダの娘を楽しませてください。……PK 468.6
世々かぎりなくわれらの神であって、とこしえにわれらを導かれるであろう。」PK 468.8
ユダの王と彼の軍勢の信仰によって、「もろもろの国の民は主がイスラエルの敵と戦われたことを聞いて神を恐れた。こうして神が四方に安息を賜わったので、ヨシャパテの国は穏やかであった」(歴代志下20:29、30)。PK 468.10