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各時代の大争闘 - Contents
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    晩年の活躍

    型書の出現は、教会の権威者たちをうろたえさせ た。今や彼らは、ウィクリフよりも強力な力、彼らの武器も歯が立たない力と対決しなければならなかった。当時、英国には、聖書を禁止する法律がなかった。まだ聖書が、民衆の言語で出版されたことがなかったからである。後になってそうした法令が発布され、厳重に実施された。その間、司祭たちの反対はあったが、しはし神のみ言葉を配布する機会があったのである。GC 1630.8

    法王教の指導者たちは、ふたたひ、改革者の戸声を沈黙させようと謀った。彼は続けて3回法廷に呼ばれたか、事なきを得た。最初の時は、司教たちの宗教教議が、彼の著書を異端であると宣言した。彼らは、若い王リチャード2世を自分の側に引き入れ、禁じられた教義を信じる者はみな投獄するという勅令を得た。GC 1631.1

    そこでウィクリフは、宗教教議から議会に上訴した。彼は、恐れることなく国会において教階制を非難し、教会が公認している数多くの悪習の改革を要求した。強い説得力をもって、彼は法王庁の侵害と腐敗とを描き出した。敵は混乱に陥った。ウィクリフの友人たちや支持者たちは、すでに屈服させられていた。そして、老齢のウィクリフ自身も、ただ1人で援助者もない以上、国王と法王の合同権力の前に屈するものと予期されていた。ところが、逆に法王の側が敗北してしまった。議会はウィクリフの力強い訴えを聞いてわき立ち、迫害の勅令を取り消し、改革者はふたたび自由にされた。GC 1631.2

    第3回目に、彼は、国家の最高宗教裁判所で裁判されることになった。ここは異端に対して何の好意も示されないところであった。ローマはついに、ここにおいて勝利し、改革者の活動は中断されるであろうと法王側は考えた。もし彼らが目的を達成しさえすれば、ウィクリフは、その教義を放棄するか、それとも火刑の宣告を受けて法廷を出るかのどちらかであった。GC 1631.3

    しかしウィクリフは、信仰を放棄せず、それを隠そうともしなかった。彼は、恐れることなく自分の教えを固守し、迫害者たちの攻撃を退けた。彼は、自分のことも、立場も、場所も忘れて、聴衆を天の法廷に集め、彼らの詭弁と欺瞞を永遠の真理というはかりで量った。聖霊の力が法廷内に感じられた。聴衆は神に魅せられた。彼らはその場を去る力さえ失ったように思われた。改革者の言葉は、主の矢筒からの矢のように、彼らの心を射た。ウィクリフは、彼らが彼に浴びせていた異端の告訴を、強い説得力をもって彼らに投げかえした。彼らはなにゆえに、あえて誤謬をひろめようとするのか、それは利益のためなのか、神の恵みを商品化するためなのか、と彼は問うた。GC 1631.4

    彼は最後にこう言った。「あなたがたは、だれと戦っていると思っているのか。今にも死にそうな老人とか。否! 真理と戦っているのだ。あなたがたより強く、あなたがたに打ち勝つ真理となのだ。」7彼はこう言って法廷を出たが、敵はだれ1人としてそれを止めようとしなかった。GC 1631.5

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